日本で学びを終え、卒業後に日本での就労を目指す留学生にとって、在留資格の変更手続きは重要なステップです。しかし、この手続きを適切に進めなければ、内定先での就労開始に支障をきたす可能性があります。本記事では、留学生が在留資格「留学」から就労資格に変更する際に押さえておくべき重要なポイントについて詳しく解説します。スムーズな就労開始のために、ぜひ参考にしてください。
卒業間近の在留資格変更
卒業の季節が近づいてきました。と言うと、まだ気が早いような気がします。「だって来春3月の話でしょ」と。しかし、卒業後に就労を開始するために、在留資格を「留学」から就労に係るものに変更しなければならない留学生にとっては、決して気の早い話ではありません。
在留資格変更を適切な時期に完了するためには、卒業(修了)前の12月ごろには、そろそろ必要書類を集めて申請準備をし始めなければなりません。背景には、入管での申請から許可を得るまでに数カ月かかるといった事情もあります。大学や大学院もこの辺りを見越して、卒業証明書や修了証明書を卒業式・修了式当日に発行するだけでなく、約4ヶ月前の12月ごろに「卒業見込み証明書」や「修了見込み証明書」を別途発行してくれます。
就労に係る在留資格に変更する要件に「卒業証明書」や「修了証明書」が含まれる場合、実際の書類発行を待っていると、一般的な新卒の就労開始日である4月1日に間に合いません。そこで、入管では「見込み証明書」で申請を受け付けておき、正式な「卒業証明書」や「修了証明書」が発行された後に審査結果を出すようにしています。したがって「見込み証明書」の発行は、大学と社会を結ぶミドルウェアとしての役割を果たす、ありがたいシステムだと言えます。(実際には、申請の種類などによっては、これでも間に合わなくなることもあります。)
在留資格変更を適切な時期に完了するためには、卒業(修了)前の12月ごろには、そろそろ必要書類を集めて申請準備をし始めなければなりません。背景には、入管での申請から許可を得るまでに数カ月かかるといった事情もあります。大学や大学院もこの辺りを見越して、卒業証明書や修了証明書を卒業式・修了式当日に発行するだけでなく、約4ヶ月前の12月ごろに「卒業見込み証明書」や「修了見込み証明書」を別途発行してくれます。
就労に係る在留資格に変更する要件に「卒業証明書」や「修了証明書」が含まれる場合、実際の書類発行を待っていると、一般的な新卒の就労開始日である4月1日に間に合いません。そこで、入管では「見込み証明書」で申請を受け付けておき、正式な「卒業証明書」や「修了証明書」が発行された後に審査結果を出すようにしています。したがって「見込み証明書」の発行は、大学と社会を結ぶミドルウェアとしての役割を果たす、ありがたいシステムだと言えます。(実際には、申請の種類などによっては、これでも間に合わなくなることもあります。)
瀬戸際の攻防
前置きが長くなりました。卒業(修了)要件の単位を順調に取得し続け、無事卒業(修了)の見通しが立ち、さらに運良く内定を獲得しているとします。そのような留学生は、おそらく来年度4月1日から始まる日本国内での就労に向けて、在留資格を「留学」から適切な就労資格に変更しなければなりません。この変更を終えた後でなければ、就労を開始することができません。せっかく内定が決まっていても、4月1日からの就労開始に間に合わないというだけで、内定取り消しになるという話も聞きます。学生自身が卒業旅行で長期的に不在にしたり、手続きを忘れていたりして手続きが遅れてしまい、それで間に合わないのなら自己責任と言えるかもしれません。しかし、十分前もって(見込み証明書も使って早めに)申請したにもかかわらず、入管の不手際や人員体制不備など学生に全く落ち度のない理由で遅れてしまった場合、このような措置は大変酷なものです。
しかし「来年度4月1日に入社することを内定の条件とする」と言うような条件が付いている場合、仮に上記のような理由であっても内定取り消しになる可能性は否定できません。
このような事態を回避するためには、「在留資格変更」という留学生独自の状況を会社に説明し、仮に入国管理局の都合で審査が遅れ就労開始予定日に間に合わなかったとしても、入社日を遅らせるなどの対応が可能かを確認しておく必要があります。それが難しい場合、最速で就労資格に係る在留資格を取得できる申請を、自己の状況に応じて適切に選択する必要があります。
しかし「来年度4月1日に入社することを内定の条件とする」と言うような条件が付いている場合、仮に上記のような理由であっても内定取り消しになる可能性は否定できません。
このような事態を回避するためには、「在留資格変更」という留学生独自の状況を会社に説明し、仮に入国管理局の都合で審査が遅れ就労開始予定日に間に合わなかったとしても、入社日を遅らせるなどの対応が可能かを確認しておく必要があります。それが難しい場合、最速で就労資格に係る在留資格を取得できる申請を、自己の状況に応じて適切に選択する必要があります。
既存の学位を用いての申請
では、内定を受けた学生は何をすれば良いのでしょうか。まずは、内定を出した会社に就職するかどうかの意思決定があります。内定を受ける決定をしたら、いよいよ在留資格変更手続きです。この時、学生自身が既に現在の大学や大学院で取得しようとしている学位の他に、既に他の大学から学部卒業以上(学士以上)の資格を得ている場合、その学位を使って在留資格を就労可能なものに変更可能かどうか検討します。
就労可能な在留資格に変更するためには、内定先企業での職務内容と、
1. 学士号以上の選考過程の専門内容 あるいは
2. 10年以上の自身の職務経歴
のいずれかが符合していなければなりません。前述の「見込み証明書」も、既に取得した学位には必要ないので、直接その「卒業証明書」か「修了証明書」を用いて申請すればよいのです。したがって、既に取得している学位でその要件が満たされる場合、無理に現在取得しようとしている学位を用いて申請する必要はありません。
既存の学位を用いて早めに手続きを終えることで、むしろ、内定先から「4月1日を待たずに就労を開始してほしい」という要望にも応えられる可能性が出てきます。既に大学(大学院)での単位認定要件を満たしていて、登校する必要もほとんどないような場合、在留資格さえ就労可能なものに変更してしまえば、すぐに就労を開始することができます。もちろん、在留資格「留学」のままアルバイトを続ける(週28時間、授業が行われていない期間は40時間)ことも可能です。ここは、どちらを選択しても良いです。在留資格が「留学」のまま上記のような時間枠で収まる仕事をするなら、それでも良いです。しかし、卒業(修了)までは大学(大学院)に席を置きながら正社員を始めるなら、在留資格を就労可能なものに変更した上で、それも可能になります。意外に知られていない事実ですが、就労に係る在留資格でも大学生や大学院生は可能です。逆に、「留学」では正社員として就労を開始できないことはよく知られていますが…。
就労可能な在留資格に変更するためには、内定先企業での職務内容と、
1. 学士号以上の選考過程の専門内容 あるいは
2. 10年以上の自身の職務経歴
のいずれかが符合していなければなりません。前述の「見込み証明書」も、既に取得した学位には必要ないので、直接その「卒業証明書」か「修了証明書」を用いて申請すればよいのです。したがって、既に取得している学位でその要件が満たされる場合、無理に現在取得しようとしている学位を用いて申請する必要はありません。
既存の学位を用いて早めに手続きを終えることで、むしろ、内定先から「4月1日を待たずに就労を開始してほしい」という要望にも応えられる可能性が出てきます。既に大学(大学院)での単位認定要件を満たしていて、登校する必要もほとんどないような場合、在留資格さえ就労可能なものに変更してしまえば、すぐに就労を開始することができます。もちろん、在留資格「留学」のままアルバイトを続ける(週28時間、授業が行われていない期間は40時間)ことも可能です。ここは、どちらを選択しても良いです。在留資格が「留学」のまま上記のような時間枠で収まる仕事をするなら、それでも良いです。しかし、卒業(修了)までは大学(大学院)に席を置きながら正社員を始めるなら、在留資格を就労可能なものに変更した上で、それも可能になります。意外に知られていない事実ですが、就労に係る在留資格でも大学生や大学院生は可能です。逆に、「留学」では正社員として就労を開始できないことはよく知られていますが…。
取得見込みの学位を用いての申請
既存の学位を用いた申請では要件を満たさなかったり、現在取得見込み中の学位が初めて学部卒業以上の条件を満たすものであったりする場合、前述の通り「見込み証明書」を用いて在留資格の変更を申請しておき、卒業時(修了時)に発行される学位記を入管に提示することで、その後に審査結果を得られる流れになっています。
先ほど述べた「既存の学位を用いた申請」であっても、ここで述べている「現在取得見込み中の学位を用いた申請」であっても、在留資格「留学」から就労可能な在留資格に変更する場合、一般的には「技術・人文知識・国際業務」で申請することが多いです。
ここでも、一義的には「技術・人文知識・国際業務」の申請を行う前提で説明します。
まず、どんなに早めに内定が出ていても、12月ごろに大学が発行し始める「卒業証明書」あるいは「修了証明書」を取得することが必須となります。したがって、在留資格変更申請そのものも、早くても12月上旬まで待たなければならないことを覚えておいてください。その前提で、なるべく早くその他の必要書類を揃え、速やかに申請を入管に提出するのがベストです。このパターンなら、実際には審査期間は1ヵ月強位です。年明けの1月頃に申請すれば充分間に合うはずです。しかし、いつどのような理由で入管の審査が遅れるかはわかりません。なるべく早めに申請を済ませておいた方が良いでしょう。
その他の必要書類は、内定先企業の現状等によっても変わるので、詳細は実際に内定が出た後に行政書士などの専門家に相談すると良いでしょう。一般的に求められる書類としては、内定先と締結する雇用契約書(あるいは、内定先から発行される内定通知書兼労働条件通知書等の書類)や、内定先企業の法定調書合計表などが挙げられます。必要書類とともに、入管のホームページでダウンロードできる申請書を記載して提出します。
「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更であれば、「卒業見込み証明書」や「修了見込み証明書」を用いた申請で基本的には審査が完了します。したがって、実際に「卒業証明書」や「修了証明書」の発行を受ける時点で、「審査が終了した旨の通知」を記したハガキを入管から既に受け取っていることが多いです。したがって、審査終了の通知ハガキと卒業日(修了日)に受け取る学位記、パスポートと在留カードを持って入管に赴けば、その場で在留資格を「技術・人文知識・国際業務」に変更された新しい在留カードの発行を受け取れます。これで手続き終了となります。「卒業証明書」や「修了証明書」は、通常3月下旬に行われる卒業式(修了式)で発行されるため、4月1日からの就労に充分間に合うことが見込まれます。
「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更のみを考えるのであれば、話はここで終わりです。
先ほど述べた「既存の学位を用いた申請」であっても、ここで述べている「現在取得見込み中の学位を用いた申請」であっても、在留資格「留学」から就労可能な在留資格に変更する場合、一般的には「技術・人文知識・国際業務」で申請することが多いです。
ここでも、一義的には「技術・人文知識・国際業務」の申請を行う前提で説明します。
まず、どんなに早めに内定が出ていても、12月ごろに大学が発行し始める「卒業証明書」あるいは「修了証明書」を取得することが必須となります。したがって、在留資格変更申請そのものも、早くても12月上旬まで待たなければならないことを覚えておいてください。その前提で、なるべく早くその他の必要書類を揃え、速やかに申請を入管に提出するのがベストです。このパターンなら、実際には審査期間は1ヵ月強位です。年明けの1月頃に申請すれば充分間に合うはずです。しかし、いつどのような理由で入管の審査が遅れるかはわかりません。なるべく早めに申請を済ませておいた方が良いでしょう。
その他の必要書類は、内定先企業の現状等によっても変わるので、詳細は実際に内定が出た後に行政書士などの専門家に相談すると良いでしょう。一般的に求められる書類としては、内定先と締結する雇用契約書(あるいは、内定先から発行される内定通知書兼労働条件通知書等の書類)や、内定先企業の法定調書合計表などが挙げられます。必要書類とともに、入管のホームページでダウンロードできる申請書を記載して提出します。
「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更であれば、「卒業見込み証明書」や「修了見込み証明書」を用いた申請で基本的には審査が完了します。したがって、実際に「卒業証明書」や「修了証明書」の発行を受ける時点で、「審査が終了した旨の通知」を記したハガキを入管から既に受け取っていることが多いです。したがって、審査終了の通知ハガキと卒業日(修了日)に受け取る学位記、パスポートと在留カードを持って入管に赴けば、その場で在留資格を「技術・人文知識・国際業務」に変更された新しい在留カードの発行を受け取れます。これで手続き終了となります。「卒業証明書」や「修了証明書」は、通常3月下旬に行われる卒業式(修了式)で発行されるため、4月1日からの就労に充分間に合うことが見込まれます。
「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更のみを考えるのであれば、話はここで終わりです。
「技術・人文知識・国際業務」か「高度専門職1号(ロ)」か?
しかし、最近は就労の内容がこの在留資格に相当する「高度専門職1号(ロ)」(以下、高度人材)の取得を希望する学生も多数存在します。将来的な永住権取得を見据えているためです。
そこで、「技術・人文知識・国際業務」の代わりに、高度人材の申請をした場合、どのような影響があるかを知る必要があります。
まず、「見込み証明書」の発行開始を待って、入管に申請するまでは、「技術・人文知識・国際業務」の場合と全く同じです。(もちろん、既存の学位や諸条件のみで申請可能な場合、そちらを優先できる点は、先ほどの話と同じです。)
問題は、その後の入管の審査プロセスです。一応審査を開始するものの、基本的には卒業日(修了日)の学位記発行を待って審査を再開します。したがって、前述のような「審査終了の旨を示す案内ハガキ」はまず送られてきません。むしろ、3月下旬のギリギリになって、追加で提示された学位記を確認した後に審査が再スタートとなるので、ほぼ100%4月1日からの就労開始には間に合いません。
ここまでの情報を十分に理解した上で、内定をくれた企業の人事担当者に「自分は高度人材の在留資格を取得したいので、4月1日からの就労開始に間に合わなくなるかもしれない。その場合入社時期をずらしてもらえるか」と、内定獲得後なるべく時間を開けずに人事担当者に希望を伝えておく必要があります。これを認めてもらえない場合、残念ながら別の企業からの内定獲得に向けて、新たに動き出す必要があります。(どうしても高度人材にこだわる場合ですが…。)
そこで、「技術・人文知識・国際業務」の代わりに、高度人材の申請をした場合、どのような影響があるかを知る必要があります。
まず、「見込み証明書」の発行開始を待って、入管に申請するまでは、「技術・人文知識・国際業務」の場合と全く同じです。(もちろん、既存の学位や諸条件のみで申請可能な場合、そちらを優先できる点は、先ほどの話と同じです。)
問題は、その後の入管の審査プロセスです。一応審査を開始するものの、基本的には卒業日(修了日)の学位記発行を待って審査を再開します。したがって、前述のような「審査終了の旨を示す案内ハガキ」はまず送られてきません。むしろ、3月下旬のギリギリになって、追加で提示された学位記を確認した後に審査が再スタートとなるので、ほぼ100%4月1日からの就労開始には間に合いません。
ここまでの情報を十分に理解した上で、内定をくれた企業の人事担当者に「自分は高度人材の在留資格を取得したいので、4月1日からの就労開始に間に合わなくなるかもしれない。その場合入社時期をずらしてもらえるか」と、内定獲得後なるべく時間を開けずに人事担当者に希望を伝えておく必要があります。これを認めてもらえない場合、残念ながら別の企業からの内定獲得に向けて、新たに動き出す必要があります。(どうしても高度人材にこだわる場合ですが…。)
永住権申請との関係を考える
高度人材の申請は、ポイント制で申請できるかどうかが決まります。最低でも70ポイント以上を、学歴や職歴等のポイント換算表に従って満たしていることが前提となります。
また、高度人材に係る在留資格取得を選択する理由の多くが、将来的な永住権の取得である点は、前述の通りです。70ポイント以上で高度人材を取得した場合は、高度人材への変更から3年後に、80ポイント以上での取得なら1年後に、永住権の申請が可能となります。
このように、高度人材を絡めた申請をすると、将来的な永住権取得がかなり近くなるように思えます。しかし、実は必ずしも高度人材の在留資格に変更する必要はないのです。
どういうことでしょうか。高度人材として、70ポイント以上あるいは80ポイント以上で申請し、在留資格を変更しておく必要があるのではないでしょうか?必ずしもそうではありません。実は、「70ポイント以上あるいは80ポイント以上の要件を満たしていることを、現時点で確認しておくだけで良い」のです。あえて申請そのものをする必要はないのです。
一体どういうことでしょう。実は、永住権の申請をする際に、過去に遡って高度人材のポイントを満たしていたことを証明すれば、必ずしも永住権申請の際の在留資格そのものが高度人材である必要はありません。(これを「隠れ高度」と呼んだりします。)ただし、永住権申請の際に高度人材のポイントの証明もしなければならないため、提出資料は多少多めになります。
また、永住権の申請には、最低でも3年以上の在留期間が付与されている必要があるため、仮に「技術・人文知識・国際業務」で付与された在留期間が1年間の場合、永住権申請の前のある時点で高度人材への変更を申請し、高度人材の在留資格取得者になっておく必要があります。高度人材になれば、無条件で5年間の在留期間が付与されるためです。
一概にどの程度とは言えませんが、内定先企業がある程度の規模であれば、3年以上の在留期間が付与されることが見込めます。(保証はしませんが…笑)したがって、あえて最初から高度人材の取得をする必要性は低くなります。むしろ、高度人材を取得してしまったために、転職をする度に在留資格変更を余儀なくされるといったデメリットが生じます。高度人材は、特定の企業で働く前提で取得するので、転職をすると効力を失います。そのため、転職先でも高度人材として就労する場合であっても、高度人材から高度人材への在留資格変更という、ちょっと紛らわしい申請をしなければなりません。
在留期間を1年間しか付与されないリスクを除いては、あえて高度人材を取得するより「技術・人文知識・国際業務」を取得して、永住申請時に「隠れ高度」として高度人材の証明も併せて行う方が効率的ではないでしょうか。
また、高度人材に係る在留資格取得を選択する理由の多くが、将来的な永住権の取得である点は、前述の通りです。70ポイント以上で高度人材を取得した場合は、高度人材への変更から3年後に、80ポイント以上での取得なら1年後に、永住権の申請が可能となります。
このように、高度人材を絡めた申請をすると、将来的な永住権取得がかなり近くなるように思えます。しかし、実は必ずしも高度人材の在留資格に変更する必要はないのです。
どういうことでしょうか。高度人材として、70ポイント以上あるいは80ポイント以上で申請し、在留資格を変更しておく必要があるのではないでしょうか?必ずしもそうではありません。実は、「70ポイント以上あるいは80ポイント以上の要件を満たしていることを、現時点で確認しておくだけで良い」のです。あえて申請そのものをする必要はないのです。
一体どういうことでしょう。実は、永住権の申請をする際に、過去に遡って高度人材のポイントを満たしていたことを証明すれば、必ずしも永住権申請の際の在留資格そのものが高度人材である必要はありません。(これを「隠れ高度」と呼んだりします。)ただし、永住権申請の際に高度人材のポイントの証明もしなければならないため、提出資料は多少多めになります。
また、永住権の申請には、最低でも3年以上の在留期間が付与されている必要があるため、仮に「技術・人文知識・国際業務」で付与された在留期間が1年間の場合、永住権申請の前のある時点で高度人材への変更を申請し、高度人材の在留資格取得者になっておく必要があります。高度人材になれば、無条件で5年間の在留期間が付与されるためです。
一概にどの程度とは言えませんが、内定先企業がある程度の規模であれば、3年以上の在留期間が付与されることが見込めます。(保証はしませんが…笑)したがって、あえて最初から高度人材の取得をする必要性は低くなります。むしろ、高度人材を取得してしまったために、転職をする度に在留資格変更を余儀なくされるといったデメリットが生じます。高度人材は、特定の企業で働く前提で取得するので、転職をすると効力を失います。そのため、転職先でも高度人材として就労する場合であっても、高度人材から高度人材への在留資格変更という、ちょっと紛らわしい申請をしなければなりません。
在留期間を1年間しか付与されないリスクを除いては、あえて高度人材を取得するより「技術・人文知識・国際業務」を取得して、永住申請時に「隠れ高度」として高度人材の証明も併せて行う方が効率的ではないでしょうか。
まとめ
在留資格「留学」から就労資格への変更は、留学生にとって重要な手続きです。適切なタイミングで必要書類を準備し、スムーズに申請を進めることが求められます。また、「技術・人文知識・国際業務」と「高度専門職1号(ロ)」のどちらを選択するかは、将来のキャリアプランや永住権取得の意向に応じて慎重に検討する必要があります。早めの準備と企業とのコミュニケーションを大切にし、希望する就労開始日を確実に実現できるよう心掛けましょう。専門家のアドバイスを受けながら、最適な在留資格変更を目指してください。