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なぜデータが重要なのか?ビジネス分析における必須条件

ビジネスプラン作成や事業分析を行う際に、重要なのはロジックだけではありません。実は、それを裏付けるデータこそが、説得力を高める最大のポイントです。データを正しく使えば、あなたのビジネス戦略が一層信頼性を増し、競争力も強化されるでしょう。

事業分析やビジネスプランで説得力を持たせるには?

事業分析やビジネスプラン作成をする際、単に主張を述べるだけではなく、その主張を裏付けるデータが非常に重要です。主張自体がいくら論理的であっても、データが無ければ説得力に欠けてしまいます。データを示すことで、主張に客観性が加わり、聞き手にとって単なる個人的な意見ではなく、根拠に基づいた主張として受け取られるようになります。

データとは何か?

データとは、主張する内容を補完し、その信憑性を高めるための根拠です。主張自体は主観的なものと捉えられがちですが、そこにデータを加えることで「なぜそのような主張をするのか」という理由を合理的に説明することができます。この合理的な説明があることで、主張に客観性が生まれ、相手に「単なる意見」ではなく「事実に基づく主張」として受け入れられる可能性が高まります。そのため、どのようなデータを使うかが、主張の説得力を左右します。

なぜデータが重要か?

データは、主張に合理的な説明を加え、客観性を持たせる役割を果たします。客観的なデータは、「誰が見ても同じ解釈ができる」ため、主張を一般化する助けとなります。主張が一般化されれば、必ずしも相手に同意を得る必要はなく、少なくとも「その主張には一理ある」と納得させることができるのです。データは論理破壊を防ぐための強力な手段であり、その重要性はビジネスにおいて非常に高いものです。

どのようなデータが有効か?

有効なデータとは、憶測や推測ではなく、誰が見ても一意に解釈できるデータです。その代表例が数値化されたデータです。たとえば、「この商品は人気がある」という主張よりも、「この商品の売上は前年比で20%増加している」というデータを提示した方が、信憑性が格段に高まります。また、データの出典が重要です。信頼性の高いデータソース、例えば政府機関や業界団体などのデータを用いることで、主張の客観性がさらに強化されます。
データには、二次データと一次データがあります。二次データは他社や他の機関が作成した“調理済みの”データで、一次データは自社(自分自身)で収集した“生の”データです。信頼性の観点からは、データの鮮度を含め一次データがより高く評価されます。また、定量データ(デモグラフィックデータなど)と定性的なデータ(サイコロジカルデータなど)の合わせ技を用いることも、説得力のあるデータを示すために有効な手段です。

データもどきに注意

データの中には、実際には主張を裏付けるものではなく、単なる相関関係にすぎないものもあります。たとえば、「茨城県では納豆が多く生産されている」という事実は、「茨城県には納豆好きが多く存在する」というその地域の嗜好性を示すものではなく、地理的条件によるものかもしれません。このような場合、データを単純に解釈すると誤解を招くことがあります。
また、主張とデータの間に因果関係がない場合も注意が必要です。例えば、「おむつの販売が増えるとお酒の売上が増加する」というデータがあるとします。しかし、これは単なる相関関係であり、必ずしもおむつの販売促進が酒類の売上増加につながるとは限りません。ふたを開けてみれば、「赤ちゃんのおむつの買いものを妻から頼まれた夫が、ついビールに手が伸びてしまった」だけかもしれません。この場合、“おむつ”はビールの売上向上のきっかけにはなっています。しかし、この“きっかけ”は何か別の買回品でも良かったのかも知れません。このように、データを誤って解釈すると、「データを信じて打った施策」のはずなのに、想定した結果に結びつかないことがあります。

ビジネスにおけるデータ活用とは?

ビジネスにおいて事業分析や事業計画作成を行う際、どのようなデータが具体的に有効でしょうか。自社の財務データや競合他社の財務データがその代表例です。たとえば、自社の貸借対照表や損益計算書を複数年度分並べて時系列で比較することで、会社の経営状況を把握できます。また、同業他社の財務データと比較することで、自社の強みや弱みを相対的に分析することも可能です。
さらに、自社製品と競合製品の性能を製品仕様書で比較することも、競争力の分析に役立ちます。このような比較データは、ビジネス戦略を立てる際に非常に有効です。データを基にした戦略は、感覚や経験だけに頼った戦略よりもはるかに信頼性が高いです。

推定はデータか?

自社の財務データを分析する際は、正確で客観的なデータを入手できることが多いですが、他社データとの比較になると難易度が上がります。上場企業であれば財務情報が公表されていますが、非上場企業の財務情報や機密性が高い新製品の開発情報などは、入手が困難です。それでもデータを比較したいなら、他社情報の内容を既存のデータから類推する必要があります。
類推によって推定されるデータは、どの程度信頼性があるのかが問題になります。データが不足している場合、類推によって多くの情報を補うことになりますが、この過程が透明で論理的である必要があります。たとえば、フェルミ推定という手法があります。これは、少ない情報から合理的に推測する方法で、多くの書籍で説明されています。

まとめ

事業分析やビジネスプランにおいて、データは主張に説得力を持たせるために不可欠です。主観的な意見ではなく、客観的なデータを用いることで、相手を納得させることができ、ビジネス戦略の信頼性も向上します。データには、定量データと定性データがあり、状況に応じて適切なデータを選ぶことが重要です。また、データは常に正確に解釈されるとは限らず、相関関係と因果関係を区別することが求められます。信頼性の高いデータを基にしたビジネスプランは、成功への道を開く鍵となります。