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耳から始まる革命!リスニング力を爆上げする驚異の英語トレーニング

近年、オンライン学習環境が劇的に進化し、YouTubeなどを通じて英語をはじめとする外国語学習のコンテンツが手軽に利用できるようになりました。それにもかかわらず、多くの日本人が英語を苦手と感じているのはなぜでしょうか。これは、学習コンテンツを十分に活用できていないために、思うような効果が得られていないことが原因ではないでしょうか。本記事では、リスニング力向上に焦点を当て、効果的な学習方法について考えていきます。

リスニング力を養うのが一番難しい理由

外国語学習は、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4つのスキルに分けられることが一般的です。このうち、リスニング力をつけるのが最も難しいと感じる方が多いのではないでしょうか。
リーディングとライティングは独学が可能です。辞書や文法書を使えば、他者の助けを借りることなく進められます。一方、スピーキングは相手とのやりとりが理想ですが、独り言の練習でもある程度カバーできます。ではリスニングはどうでしょうか?

リスニングは、音声教材やオンラインコンテンツを用いることで独学は可能です。しかし、大きな壁があります。それは「リスニングは待ってくれない」という点です。例えば、リーディングでは、分からない単語や表現があれば、辞書を引いたり文法を確認したりしながら、自分のペースで進められます。同様に、ライティングやスピーキングも止まって調べることが可能です。
しかし、リスニングでは、話し手や教材がわざわざ停止して調べる時間を与えてくれるわけではありません。この「待ってくれない」という特性が、一発勝負のプレッシャーを生み出し、多くの人がリスニングに苦手意識を持つ原因となっています。

母国語との比較で見えてくる苦手意識の根源

「一発勝負」のプレッシャーを克服するにはどうすれば良いのでしょうか。そのヒントは、私たちが母国語である日本語を聞き取る際に何をしているかを観察することから得られます。
日本語を聴く際、多少聞き取りづらい部分があっても、文脈や周囲の情報から意味を推測し、全体を理解することができます。その背景には、十分な語彙力があることが大前提です。また、母国語の特性として「聞いた音を脳が録音している」という要素も挙げられます。この「脳内録音システム」が日本語では機能しているため、一発勝負に失敗してもバックアップ処理が可能なのです。

一方で、外国語学習において、この脳内録音システムはまだ形成されていません。そのため、「聞いた音そのものを記録する能力」を英語でも構築する必要があります。

リスニング力アップの秘訣

この脳内録音システムを構築するにはどうすれば良いのでしょうか?専門的には「テンションスパン」と呼ばれる能力を鍛えることが重要です。テンションスパンが広がると、聞き取りづらい部分があっても、聞き終わった後に頭の中で再生して内容を補完することが可能になります。

テンションスパンを広げる第一段階では、聞いた内容を咀嚼し、記憶することが求められます。特に「動詞」に集中して聴くことで、内容を効率的に理解できます。このステップを踏むことで、次第に「音そのものを録音する」という第二段階に進む準備が整います。

効果的なトレーニング方法

テンションスパンを鍛えるには、「リプロダクション」や「サイトトランスレーション」といったトレーニング方法が有効です。

リプロダクションとサイトトランスレーションによるリスニング力向上

リプロダクションとは、自分で英語を読んで、そのまま全く同じ内容を発話するトレーニングです。一方、サイトトランスレーションとは、自分で英語を読んだ内容を間を置かずに日本語に訳して発話するトレーニングを指します。

ここで不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれません。リスニング力向上を目的としたトレーニングの初めに、リスニングを一切行わない点です。インプットはあくまでもリーディングに限定されます。しかし、この方法は壱発勝負のリスニングを、自分のペースで学習可能なリーディングに変換することにより、学習効果を高めることが期待できます。

最初は短い文章をゆっくり読み、そのまま英語で復唱すればリプロダクション、日本語に瞬時に訳して発話すればサイトトランスレーションとなります。この段階で簡単だと感じたら、次に文章単位からパラグラフ単位へと範囲を広げたり、音読する速度を上げたりすることで、脳にかかる負荷を徐々に増やしていきます。

当然ながら、いちどに処理する文章の範囲と速度を上げるほど、脳が保持できる情報の範囲、すなわちテンションスパンが広がっていきます。それでは、どの程度まで英語のテンションスパンを広げるべきでしょうか。一つの目安として、日本語でリプロダクションを行う際のテンションスパンを参考にすると良いでしょう。おそらく、1パラグラフ程度は余裕を持って再生できるはずです。

単語のリプロダックションとサイトトランスレーションで更に脳力アップ

さらに、脳に音を貯める練習として、リプロダクションやサイトトランスレーションを単語レベルで行う方法もあります。この場合、聞いた単語をすぐに再生するのではなく、一定の間を設けます。具体的には、直前ではなく2つ前に聞いた単語を再生するところから始め、慣れてきたら3つ前、4つ前というように負荷を徐々に増やしていきます。感覚的には、5つ前の単語を再生できるようになることが理想的です。

まとめ

英語学習の鍵はリスニング力向上にあります。一度聞いた音は記録として残らないため、多くの学習者がリスニングに苦手意識を抱いています。この苦手意識を克服し、学習効果を最大限に引き出す方法として、通訳者養成でも用いられているリプロダクションやサイトトランスレーションが非常に有効です。

これらのトレーニングを活用して、脳のロバスト性を高め、リスニング力向上を目指しましょう。